書評【喧嘩稼業】その①
ハンターハンターと並び、中々、連載再開されない漫画の代名詞になりつつあります。
喧嘩稼業。
個人的には、何度も読み返してしまうお気に入りのタイトルです。
今回は、その魅力をお伝えしたいと思います。
魅力① モブキャラのいないトーナメント。
喧嘩稼業の作者・木多康昭さんは1969年生まれ。当ブログ管理人同様、キン肉マン・北斗の拳世代のジャンプ読者です。その頃、熱狂した設定に、聖闘士星矢の
がありました。喧嘩稼業の陰陽トーナメントを見ていると、
小学生時代、聖闘士星矢を読んでいた時に感じていた、物足りなさ、不満を
大人になった作者が補正・増強し、長い歳月をかけて練りあげた作品と感じて
しまいます。
では、銀河戦争とはどういったものでしょうか?
【銀河戦争】
→ 10人の青銅聖闘士によるトーナメント戦。優勝者には、射手座の黄金聖衣が与えられる。 10人それぞれが自らの守護星座に順ずる聖衣を持ち(ペガサス座・ドラゴン座など)戦法・必殺技なども異なる。
まだ、ジョジョのスタンドも、ハンターハンターの念能力も無かった時代、まさに能力バトルのはしりとも言える激熱な設定でした。
(作者の車田正美さんは、天才だと思います)
ただ、今読み返してみると、いささか物足りなり部分があるにはあります。
それは、
①強キャラと弱キャラが初見で判別してしまい、勝敗予想が容易であったこと
②乱入者のイベントが発生し、トーナメントの決着が有耶無耶になってしまったこと
の2点です。
①に関していえば、
すでに車田漫画のセオリーにもなっている『体の大きいキャラ』は雑魚。→(熊)
をはじめ、『目の細いキャラ(狼)』『モヒカン(蛇)』『不細工(ライオン)』は、初見で既にヤラレ役であることがわかってしまいます。
唯一、頑張ったのが『一角獣の邪武』というキャラクターですが、性格が主人公の聖矢に被ってしまったことで、レギュラー落ちしてしまいました。。。。
②は最初からの予定だったのかわかりませんが、いささか乱暴な結末に感じました。
恐らく、当時のジャンプの方針からして、常にインパクトのある展開を繰り広げることが必須になっており、ダラダラとトーナメントを続けることが許されなかったのだと思います。
木多先生が、喧嘩稼業創作に当たって、
『勝敗予測不能な、銀河戦争(ギャラクシアンウォーズ)を最後までやり遂げる』
という目標を掲げていたかは不明です。